済州の火山島と溶岩洞窟群
済州の火山島と溶岩洞窟群 |
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済州の火山島と溶岩洞窟群とは
「済州の火山島と溶岩洞窟群」は、大韓民国にあるユネスコの世界遺産登録物件。
韓国では初めての世界自然遺産である。
済州島は韓国本土南岸から130kmにある火山島で、面積1845km²の韓国最大の島である。
済州島の中心に存在するのが漢拏山である。この山は休火山で、標高1950mは韓国最高峰である。360の小火山がメインの火山に付随する。
済州の火山活動は大体白亜紀に始まり、第三紀初めまで続いた。
記録されている中での最後の噴火は、約800年前のことである。
島は、漢拏山から発した火山岩や火山性の土壌に覆われている。
漢拏山山頂には、25000年以上前に形成された火山湖の白鹿潭(ペンノクタム)がある。
1966年に標高800m以上が自然保護区に指定され、
遊歩道と公園管理施設を除けば人造物の存在しない手付かずの環境が保たれている。
漢拏山の植物相はユニークである。
1565種の維管束植物が見られるが、これはひとつの山で見られる維管束植物の数としては最多の部類に属し、
そのうち33種が固有種である。
また、韓国の他のほとんどの山岳と異なり、漢拏山は亜熱帯、温帯、寒帯の植物が、
3つの異なるゾーンで垂直に分布している。
この島から見れば外来種に当たる韓国本土に自生していた植物200種も持ち込まれたが、
それらの半分ほどは絶滅に瀕している。氷河期に韓国から伝わり、
漢拏山山頂付近に生えている寒帯植物はその例である。
亜熱帯性の森林や島の低地帯で生育する植物にも、絶滅が危惧されているものがある。
自然保護区内では、17種以上の哺乳類、198種の鳥類、
8種の両生類、8種の爬虫類、947種の昆虫などが確認されている。
そこにはノロジカの一種やチョウセンヤマネコのような絶滅危惧種も含まれている。
済州島が朝鮮半島から切り離されたのは1万年以上前のことで、それによって幾種もの固有種が生まれた。
また、漢拏山には旧石器時代の生活跡の残されている洞窟もある。
そうした考古学上の証拠は、この島に旧石器時代には既に人が住んでいたことを示唆している。
済州の火山島と溶岩洞窟群