スルツェイ島
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スルツェイ島とは
スルツェイ島は、
アイスランドの南にある無人島。1963年に海底火山の噴火により出現した。
日本の西之島新島と並んで、海底火山の噴火から新島を形成した典型例として有名である。
『スルツェイ』はアイスランド語で『スルトの島』を意味するため、本来『スルツェイ島』は重複表現である。
従来、ウルトラブルカノ式と呼ばれていた噴火形式で、
マグマたまりの中の水蒸気圧力が上昇することによって爆発するタイプであるが、
高温のマグマが海水に触れることによって、
大量の水蒸気を発生させ大爆発を起こすところから、マグマ水蒸気爆発と呼ばれる。
さらに、スルツェイ島噴火が典型例であったところから、スルツェイ式と呼ばれるようになった。
「スルト」とは、北欧神話に登場する、炎の剣を振りかざして南から神々に襲いくる巨人の名である。
島の名付け親となった地質学者シーグルズル・ソゥラリンソンは、
まさにアイスランドの南の海上で炎を吹き上げる様子からこの名を提案したが、
このことが、神話を現在に伝える『詩のエッダ』や『散文のエッダ』が
その内容に火山活動からの影響を受けていることを一般に知らしめた。
1965年6月にはスルツェイ島の浜辺に植物が生えているのが発見され、
今日では緑に覆われて、アザラシや海鳥も集まる自然の楽園となっている。
スルツェイ島出現以前にも新しく生まれた火山島でみられてきたこうした出来事が、
『エッダ』で語られている、スルトの火焔によって焼かれて海に沈んだ大地が再び浮かび上がり、
そこでは種を蒔かずとも穀物が実る、という描写として記録されたと考えることもできる。
スルツェイ島